公開日 2025年8月5日 最終更新日 2025年8月5日
みなさんは「グラスフェッドバター」という言葉を
耳にしたことはありますか?
グラスフェッドとは、牧草飼育のこと。
牛や羊などの家畜をできるだけ自然に近い形で飼育する方法です。

餌は飼料ではなく、自然に生えている牧草*。
また牛舎に閉じ込められて飼育される方法と比べて
自由に動き回れるため、
家畜にとってはストレスなく過ごせる環境。
栄養価が高くなるうえ、
環境・動物福祉の観点からも優しいと
話題になっています。
このスタイルで育てられた乳牛から
とれるミルクがグラスフェッドミルク、
そのミルクからつくられるバターが
グラスフェッドバターなんです。
*乳牛への栄養補給のために一部補助与えることもあるそうです

ニュージーランドは成長ホルモン剤禁止、遺伝子組み換えもなし
グラスフェッドバターは
一部国産のものもあるようですが、
ほとんどは海外からの輸入品。
中でもニュージーランド産は多く出回っています。
ニュージーランドは1年を通して
牧草飼育に適した気候。
しかも自然豊かで、
広さに対して人口がそれほど多くないため、
(広さは日本の3/4ながら、人口は約535万人)
牛1頭につきサッカーグラウンド半分ほどの
牧場が与えられている計算になるのだとか!
のんびり健康的に過ごした牛のミルクで
つくるグラスフェッドバターは、
β-カロテン、共役リノール酸
などが豊富に含まれています。
さらにニュージーランドでは
成長ホルモン剤の使用は禁じられており、
遺伝子組み換え乳牛も
認められていないので安心。
グラスフェッドバターを使って、バターボードをつくる!
そんなグラスフェッドバターについて
詳しく知ることができる
体験型イベントに参加してきました。

イベントでは
ニュージーランドの酪農や
グラスフェッドバターについて学んだ後、
バターボードづくりを体験。
バターボードとは、
海外で流行し始めている
バターの新しい楽しみ方。

バターをカッティングボードなどに
ペースト状に塗り、ナッツ、
ドライフルーツ、ハーブ、
フルーツなどさまざまな食材を
トッピングして楽しむスタイルです。
実演して子どもたちに教えてくれたのは、
名古屋にある人気のパン屋さん
「ブーランジェリーAvec」の
上村シェフ。

実演の後は、それぞれ好きな
食材を選んで自由につくっていきます。

トッピングはなんでもOK!
フルーツやナッツのほか、
チョコレートチップやチョコペン、
はちみつもよく合います。

つくり方のコツは、
バターを室温に戻して柔らかくすること。
冷蔵庫から出して10〜15分ほど置いておくと
塗りやすくなります。
また、きれいに塗ろうとせず
少し乱雑に立体感を出すほうが、
すくって食べやすくなり
見た目も華やかになるそうです。

盛りつけ方は自由!
ボードいっぱいにバターを伸ばしてもいいし、
上の写真のようにハート型や、
お花っぽく食材をのせてもかわいい。
完成版はこちら!
仕上げにマヌカハニーもたっぷりかけました。

パンやクラッカーと一緒にいただきます。

グラスフェッドバターは
コクがあっておいしい!
それでいて重たすぎず、
あっさりしていて
軽い食感だと感じました。
これならたっぷりつけて
食べてもしつこくなさそうです。
ちなみにグラスフェッドバターは
通常のバターと比べて
黄色っぽいのも大きな特徴。

左奥の紙皿にのっているのが
グラスフェッドバター、
右の小さな一切れが
通常のバターです。
この色はグラスフェッドバターに
含まれるβ-カロテンの色素だそう。

バターボードは火を使わず、
子どもと一緒につくれる
おすすめの簡単おもてなし料理。
また家でもつくってみるつもりです。
身近なバターをきっかけに、「食を選ぶ」意識を持つ
グラスフェッドバターの
イベント参加を通して感じたのは、
子どもが
「販売製品の違いを知る」→「自分で選びとる」
力を身につけることの重要さ。
子どもが自分自身で食品を選ぶ機会は
まだおやつ程度に限られていることが多く、
その場合も判断ポイントは
「おやつの種類」「フレーバー」がメイン。
産地や生産(栽培)方法、
生産者のこだわりを意識するまでには
今回のような学びの機会が必要です。
スーパーへ買い物に連れて行くこと、
自分が食品を選ぶ際の基準や選んだ理由を
説明してあげること。
これらも親として、
子どもにしてあげられる教育ではないでしょうか。
グラスフェッドバターをまだ手に取ったことがない人は
ぜひスーパーで探してみてください。
そしてこれをきっかけに親子の会話を
広げてみてください。
取材協力/フォンテラジャパン